まず、静電気が起こる理由だが、冬場で乾燥した条件で、衣服がこすれて静電気がたまり、それが、ドアノブを触ったときに一気に放電されるため。
ここでは、静電気を生じないようにする対策と、たまってしまった静電気をバチッとさせない対策について整理した。
静電気を生じないようにする対策
(1)部屋の湿度を上げる(加湿する)
湿度が高いと衣服に静電気がたまることなく、空気中の水分子に放電される。これだけで「バチッ」から解放される。
(2)静電気をためない
重ね着している衣類の繊維間での摩擦で静電気がたまる。衣類の素材の組み合わせによっては、静電気が発生しやすくなる。ウールとフリースを重ね着すると、静電気が発生しやすい。
衣類の素材の組み合わせについて
上の表で、離れている素材を重ね着すると高い電圧の静電気が発生する。表で離れた位置にあるウールのセーターとアクリルのフリースを着重ねると、静電気がたまることになる。ただし、化繊は天然繊維に比べ保水量が少ない為、近い距離の素材でも、他の素材に比べ静電気が起こりやすいこともある。衣服間で静電気が出やすいかどうかは、真っ暗にした乾燥した部屋で、2つをこすってパチパチするかどうかでも確かめられる。
たまってしまった静電気はどうすればよいのか?ドアノブを触るのが怖くなって、指先だけ持っていくとバチッと音がなって痛いめにあう。たまった静電気が指を通ってドアノブに一気に流れていくからである。
(1)静電気を床からアースで逃がす。
静電気を床から常に逃がすことができればよい。石油タンクローリー車の後ろに道路に接するようにチェーンやアースケーブルがついているのも同じ目的。ゴム底の靴は、絶縁させるので、部屋内ではスリッパなどをやめて、綿の靴下にする。
(2)バチッとくる前に、他のものを触って静電気を逃がす。
ドアの前で、ドアノブを触る前に、ぬれたタオルを触る。また、ドアの横のコンクリートや壁を触っても効果あり。
(3)静電気除去のグッズの使用
各種ブレスレッド、ネックレス、キーホルダータイプが販売されている。いくつか試したが、今のところ、軽減することはあるが十分効果を感じられるものはなかった。
引火しやすいガスや電子精密機器などを扱う仕事では、静電気除去は必須。これらの分野では、本格的な静電気除去装置もあるが、家庭やオフィスには持ち込めないので、上の方法の組み合わせで、静電気から逃れるしかない。