さて、本日はお酒の話。
最近、他県の人から、獺祭(だっさい)のことをしばしば聞かれる。獺祭は、山口県旭酒造がつくるお酒。山口のお酒で、個人的におすすめの1つ。(調べてみると、獺祭は複数の日本酒ランキングサイトで全国1位から3位内、価格コムの全国日本酒売れ筋情報でも1位という評価で、だいぶ旬らしい。)
その製造での特徴のひとつは、「獺祭磨き二割三分」というもの。
日本酒は米が原料だが、玄米を使うと、脂質、タンパク質、核酸などが混ざって雑味となる。そこで、清酒作りには玄米の表面を削って、米粒子の中央だけを使う。精米歩合60%というときには、表層を40%削り取ることをいう。獺祭磨き二割三分は歩合23%という意味。米粒子の中央23%のみを使う(下図:旭酒造HPから)。
結果、雑味なく、香り高い酒ができるというわけ。ところで、精米歩合70%から60%の間の日本酒は本醸造酒、純米酒と呼ばれ、60%以下になると特別ということで、特別本醸造酒、特別純米酒と呼ばれるお酒になる。23%という「獺祭磨き二割三分」のありがたさがお分かりでしょうか。ただ、どうしてもお高いので、フラッグシップ級は特別な時用かも。純米大吟醸50の獺祭でも十分美味しいです。少し冷やして飲むのがよい。
獺祭というお酒を最初に知ったのは、「新世紀エヴァンゲリオン」の「劇場版:序」のお酒好きの葛城ミサトさんの部屋にあったお酒の銘柄から。この映画の監督、庵野 秀明氏は、山口県宇部市生まれ(宇部高等学校卒)、だからか?
ところで、「獺祭」という名前だが、旭酒造のHPによると、「獺」はカワウソのこと。カワウソは、捕まえた餌の魚を川岸に並べる習性があり、それが先祖をまつるお祭りのようにみえることから、この様子を獺祭というと中国の古書にある。また、「獺祭」は、作家などが机の上に資料を沢山並べる様子をさすこともあり、正岡子規は自らを獺祭書屋主人と称していた。