2015年5月22日金曜日

世界の圧力に負けないで イルカ漁は日本の伝統

「追い込み漁」で捕獲したイルカについて、世界動物園水族館協会(WAZA)から会員資格停止処分を受けた日本動物園水族館協会は20日、WAZAの要求をのんで、会員に残留する方針を発表した。世界の圧力に負けた形だ。

WAZAが問題したのは、日本の水族館にいるイルカは、ほとんど和歌山県太地町の「追い込み漁」で捕獲したもので、「追い込み漁」が倫理規範に違反しているというのだ。

太地町の追い込み漁は、隠し撮りした映像で漁を批判的に描いた米映画「ザ・コーヴ」が2010年にアカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞し、反響を呼んだ。

イルカの追い込み猟では、漁船から水中に大きな音を出して、音に敏感なイルカをパニック状態にさせ、音で脅しながら、群れを狭い入り江へ追い込み、生け捕りにする。この方法が動物虐待行為というわけ。

西欧人にとって、イルカは特別な存在でイヌ、ネコに匹敵する。そのため、このような偏見が生まれる。日本は、昔からこの方法で鯨やイルカを捕獲して、タンパク源にしてきたので、伝統漁法の1つであることを主張してきてもなかなか聞いてもらえない。

日本動物園水族館協会は, WAZAの指摘に従い追い込み漁で捕獲したイルカの入手をやめることにした。それでは、西欧はイルカをどのように手に入れているかというと、水族館で繁殖を行なっているという。

日本ではイルカの繁殖はほとんど行なってきていないのは、専用の施設が必要で、技術的にもむつかしいのが問題。イルカを繁殖させるのは悪いことではなく、繁殖を経験するのはよいことかもしれない。

今回の問題はその意味では、よいのかもしれないが、もっと大事なのは、鯨もそうだが、日本が伝統的にやってきたことを、西欧の考え方で押し切られる点だ。

インドなどのヒンズー教では、牛は神とあがめられて食べないわけで、その人たちからみれば、牛肉を食べる西欧人は非難されるべきだろう。

西欧人の言いなりになるのではなく、しっかり自分たちの立ち位置を主張し伝統を守ることを忘れてはならない。

考えてみると、水族館にしても動物園にしても、動物から見れば、拉致監禁、見世物にしているわけで、動物の環境をできるだけよくしてやることは、今後もっと大事だろう。

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