ところが、この登録に対して韓国が強く反発している。韓国はこれらの遺産のうち7施設に、朝鮮人約6万人が強制徴用されたと主張し、世界遺産の基本精神に合わないとして批判している。
これに対して下村博文文部科学相は「近代産業遺産群は1910年以前の話。そこに強制的に朝鮮の方の労働が行われたとかいうことではない。時代が全然違う」と主張、丁寧に説明していきたい、と述べている。
韓国政府の反日政策方針の一環だろうが、世界文化遺産登録そのものを反対するここまでの言いがかりはどうかと思う。
世界文化遺産にすでに登録されているベルサイユ宮殿や万里の長城にしても、たくさんの犠牲者の上になりたっている。もし、強制労働があったとしても、遺産の説明の中にそのことを含めてもよいわけで、遺産登録を止める理由にはならない。
強制労働ということだが、当時日本の若者たちは徴兵制によって戦地に送られていたので、本土に残った女こども以外で炭坑労働などの重作業に朝鮮人が動員されてもおかしくない。時代背景を考えると、しかたがなかったと思う。
文部科学大臣の答え方は、事をあいまいにするのでよくない。慰安婦問題もそうだが、相手をおもんばかる日本流のやり方だと、禍根をまた残すことになる。
韓国は、登録阻止に向け、6月末にドイツで始まる世界遺産委員会で3分の1以上の「反対票」を集める努力をしている。日本政府には、しっかりした対応をお願いしたい。
ご存知、松下村塾。