2013年11月4日月曜日

中国で発見、進化の定説覆す魚類化石

硬い骨を持つ現生動物(硬骨魚綱)の祖先をめぐっては、軟骨でできた骨格を持つサメのような軟骨魚綱から進化したとの説が長年主流であった。中国で発見された4億1900万年前の魚類の化石から、この通説を覆す論文が、10月10日に英科学誌ネイチャーで発表された。

硬骨魚綱には、現存魚類の大半や、ヒトなどの四肢を持つ陸上動物が含まれる。これまでは、われわれ硬骨魚綱はサメやエイ、ギンザメなどの祖先から受け継いだ軟骨とともに、硬い骨を進化させてきたと考えられてきた。つまり、軟骨魚綱が生まれ、あとで硬骨魚綱が進化したというのが定説。

しかし今回新たに発見された原始の魚は、小さな頭蓋骨とあご骨を含む複雑な骨格を持っており、進化系統樹に欠けていた部分を埋めるものであると同時に、硬い骨から成る骨格がすべての脊椎動物の原型だったことを示すものだという。つまり、硬骨魚綱が出現したあと、サメやエイの祖先が硬い骨を捨てて出現したということになる。

中国南部・雲南(Yunnan)省曲靖(Qujing)でほぼ完全な化石として発見され、「Entelognathus primordialis」と命名された魚類は、約4億2300万~4億1600万年前のシルル紀後期に中国周辺の海に生息していた板皮類とのこと。体の長さは約20センチで、頭と胴体は骨板でしっかり守られ、尾びれはうろこに覆われていた。顎はあるが歯はなく、骨ばった頭部の眼窩(がんか)は大きいが、そこに収まっていた眼球は小さかったものとみられている。(AFP)




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