2013年11月23日土曜日

遺伝子組み換え食品は怖いのか?

遺伝子組換え食品として、これまで厚生労働省によって安全性審査を経たものとしては、トウモロコシ、なたね、ジャガイモ、ダイズ、テンサイ、アルファルファ、ワタの農作物7作物と、キモシン、α-アミラーゼなどの食 品添加物6品目がある。

遺伝子組換え植物のメリットの1つは、害虫抵抗性や除草剤耐性の農作物を作れること。例えば、害虫抵抗性のトウモロコシでは、農薬をまいてもなかなか死なない害虫の繁殖を抑 えることができる。実際、家庭菜園でトウモロコシを栽培してみると、農薬なしではすべてのトウモロコシがアワノメイガの餌食になる。

土の中に生息する細菌(Bacillus thuringiensis)が作る Bt タンパク質 は、トウモロコシの害虫アワノメイガなどが食べると、昆虫の消化管内がアルカリ性のため Bt タンパク質が消 化管の受容体と結合して、消化管の細胞を破壊する。その結果、昆虫は餌を食べても消化することができなくなり死んでしまう。そこで、遺伝子組換え法で、Bt タンパク質の遺伝子をトウモロコシに入れておくことで、これらの昆虫の被害を防ぐというものである。

人が食べた場合には、Bt タ ンパク質は胃酸の働きでアミノ酸まで十分に消化される。またその受容体はチョウ目、コウチュウ目の昆虫の腸管にしか存在せず、こ の受容体を持っていない人やその他の生物には影響がない。

昆虫には毒だが人には毒ではないので、問題ないはずなのだが、毒ということで生理的に嫌う人も多い。厳密な安全検査は必要だが、かつてジェンナーが種痘を始めたときのように科学を信頼することも必要か。





上が成虫、下が幼虫

広島ブログ