自律神経は、寒い時は血管を縮め体温を逃がさないようにし、暑い時は、血管を広げ温度差に体を適応させる。しかし、その自律神経が適応できる範囲は寒暖差が約7度まで。それより大きな寒暖差の刺激は、外気と接する鼻が一番敏感で、くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどの花粉症のようなアレルギー症状を引き起こす。これが、「寒暖差アレルギー」。
「寒暖差アレルギー」は、医学的には『血管運動性鼻炎』と呼んでいて、アレルゲン(アレルギーを起こす原因物質、例えば花粉など)を見いだせないものをさす。それゆえ、正確にはアレルギーではない。アレルギーのような症状という意味。
一般的に、成人女性がなりやすい。女性は男性に比べて筋肉量が少なく、体内で熱を作るのが苦手なため、冷え性になりやすく、その冷えが自立神経の働きを乱してしまうことが多いから。
花粉症か、風邪か、寒暖差によるものかの目安としては、
1.目に炎症があるか?
充血していれば、花粉症。充血がなければ、寒暖差アレルギーの可能性あり。
2.鼻水の色はどうか?
黄色だったら、花粉症や風邪。透明だったら、寒暖差アレルギーの可能性あり。
3.熱はあるか?
発熱しているようなら、風邪など病気。寒暖差アレルギーでは発熱はない。
朝暖かい布団から抜け出た直後からくしゃみ・鼻水などの症状がしばらく続き、周囲の温度に慣れてくると症状が治まってくる。逆に夜布団に入って暖まってくると鼻づまりなどの症状がしばらく続く、などがあったら「寒暖差アレルギー」が疑われる。
「寒暖差アレルギー」は、寒暖差で起こるので、この寒い冬場だけでなく、夏場、暑い室外からエアコンのきいた部屋に入る時にも起こる。
アレルギーではないので、なおす方法はなく、対症療法しかない。治療方法は投薬治療で、くしゃみと鼻づまりに効果がある抗ヒスタミン薬を使う。マスクをしたり、ネックウオーマーなどで、寒暖差に敏感な部位を保護するのが大事。
Note: 英語でmaskは仮面のことを指し、日本でいうマスクはsurgical mask(外科用マスク)になるようだ。