お酒を飲むと、顔が真っ赤になるのは、お酒を分解する能力が低いため。こんな人が、お酒をある量以上飲むと、高血圧症になるリスクが高くなるという研究結果が報告された。
韓国の忠南大学による調査によると、お酒を飲むとすぐに顔が真っ赤になる人は、週に4ドリンク以上飲むと、アルコールによる高血圧症になるリスクが高まるという。
アルコール摂取の世界共通の基準として用いられているのは「ドリンク(基準飲酒量)」という単位。1ドリンクには14gのアルコールが含まれる。お酒によって、含まれるアルコールが異なるので、含まれるアルコール量で換算するために考えられた。
1ドリンクは、ビール340mL、ワイン140mL、ウィスキー42mLに相当する。健康に悪影響を与えないお酒の量は、一般的には1日に1~2ドリンクとされている。
韓国の学者の話に戻すと、お酒で顔が赤くなる人(527人)、ならない人(948人)、お酒を飲まない人(288人)を含めた、計1,763人の韓国人男性の高血圧症のリスクを調査した。
"顔が赤くなる人"が週に4ドリンク以上飲んでいる場合、高血圧症になるリスクはお酒を飲
まない人より2倍も高いことが明らかになった。
日本人を含む東アジア人のおよそ半数は、飲酒により顔が赤くなる「フラッシング」が起こりやすい体質をもっている。フラッシングは、アルコールが分解されてできるアセトアルデヒドの毒性によって起こる。
アルコールを少量飲むと、一時的に血圧が少し下がり、脈拍数が増加する。これは、体内に吸収されたアルコールが酵素により酸化され、生じたアセトアルデヒドが血液中に増加し、体の末端部の血管を拡張するため。この結果、顔が赤くなる。
しかし、飲み続けていると、アセトアルデヒドが引き続き酸化され、血中濃度が下がる。それにともない血管は収縮し、血圧は上昇していく。
アルコールは、高血圧症になるリスクを上昇させるだけではなく、がんにもなりやすくなる。お酒を飲んで赤くなる人は、食道がんになるリスクが、そうでない人の10倍近く高い。
さらに、お酒に弱い体質の人が飲酒と喫煙をすると、飲酒も喫煙もしない人に比べ、食道がんになるリスクが最大190倍も高くなる。
参考HP