インフルエンザに罹ったとおもったら、24時間以内にタミフルなどの抗インフルエンザ薬を処方すれば、重症化しないと思っていませんか?どうもそれが間違いになりつつある。タミフル耐性のウイルスが出現したからだ。
タミフルはもともとすべてのインフルエンザに効くわけではない。A型、B型のインフルエンザウイルスには有効だが、C型インフルエンザには効果がない。しかし、今回の話は、A型のウイルスにタミフル耐性の変異体が出現したということ。
インフルエンザに罹ったなと思ったら、タミフルを処方される人が増えた結果、変異の確率が上がり、耐性の変異体が出現した。ちょうど、病原菌を防ぐために抗生物質を使ってきた歴史と似ている。新しい抗生物質を作るごとに、耐性菌が出現させてきてしまった。
昨年11~12月に、札幌市内の医療機関を受診したインフルエンザ患者6人から、抗インフルエンザ薬のタミフルとラピアクタが効きにくい耐性ウイルスが見つかった。その後、三重、山形でも感染が報告された。
リレンザやイナビルといった他の抗インフルエンザ薬が今のところ有効かもしれないが、そのうち、どの薬にも耐性のウイルスが発生することは火を見るよりも明らか。
前に書いたように、この耐性インフルエンザが日本全国に広がるのは早く4年で十分。耐性ウイルスは2009年に新型インフルエンザとして流行したH1N1型なので、まずワクチン注射で予防接種しておくのが安全。
ところで、タミフルはもともと香辛料のハッカク(写真)から作られていた。