オウム病は、オウム病クラミジア菌の感染によって発症する。国内の鳥類におけるクラミジア保有率は約20%という。オウムだけでなくハトなども感染している。鳥類は感染しても多くの場合、症状はないが、人を含め動物はその糞や羽の粉塵を吸って感染する。
感染すると、ヒトではインフルエンザ様症状を示し、治療が遅れると肺炎や気管支炎などの呼吸器疾患を示す。ときには、呼吸困難、重症の肺炎となる。抗生剤で治療する。
菌は、酸、アルカリ、乾燥に強く、体外でも数ヶ月間は感染力がある。1%の次亜塩素酸ナトリウム(ハイターなど)や70%消毒用アルコールなどによる消毒が有効。
今回の集団感染では、施設の入所者ら12人が感染した。鳥を飼っていない場所では珍しいという。換気扇の外側にハトが巣をつくり、そのフンが原因となったとみられる。患者は全員回復している。
妊婦がクラミジアに感染すると、妊婦オウム病になることがある。細菌は特に羊水や胎盤で増殖し、敗血症、胎盤不全を起こし、早産・流産・胎児死等を起こす。ワクチンはないので、妊婦はペットも含めて動物や鳥との接触を避けたほうがよい。