先日、沖縄県を訪問中の天皇、皇后両陛下は、慰霊のために対馬丸事件の慰霊碑「小桜の塔」を初めて訪れられた。今年で事件から節目の70年、両陛下はかねてから訪問することを強く希望されていたという。「対馬丸事件」について調べてみた。
太平洋戦争中の1944年(昭和19年)、アメリカはサイパン島を占拠したため、B-29爆撃機を出撃させることで、日本のほぼ全土を空襲できるようになった。これを受けて、日本は本土決戦に備え、沖縄から非戦闘員である老人や婦女、児童計10万人を本土に強制的に疎開をさせることになった。
8月22日、対馬丸は、その疎開する学童らを乗せて沖縄から九州へ向かう途中だった。夜間だった。アメリカ軍の潜水艦ボーフィンは海面に浮上して魚雷を発射した。この攻撃により対馬丸は撃沈された。確認されただけでも779人の学童を含む1500人近くが犠牲になった。
この戦争で、民間人が犠牲になった人数としては対馬丸事件が最大。
当時、小学生で、疎開中だった両陛下はこの悲劇に心を寄せ続けていて、撃沈されて70年になる今年、犠牲者の追悼を強く望まれたという。
両陛下は、続いて慰霊碑の近くにある対馬丸記念館を視察された。館内には、犠牲になった学童や引率の教師など318人の遺影や筆箱、ランドセルなどの遺品が展示されている。
ちなみに、HAWAI真珠湾には ボーフィン・サブマリン・ミュージアム・パークに、対馬丸を撃沈した潜水艦ボーフィンが展示されている。
最近あった、韓国の旅客船「セウォル号」の海難事故でたくさんの高校生が亡くなった事故と重なって、悲劇が目に浮かぶ。