ドイツの菓子職人のカールは、当時ドイツの租借地・中国の青島(チンタオ)で菓子店を経営していた。第一次世界大戦が勃発し、青島は日本軍に占領されてしまい、カールは日本に捕虜として強制連行されてしまう。
最初は、大阪の捕虜収容所に入れられ、その後、広島の似島の捕虜収容所に移された。広島の収容所に入ったカールは、1919年、広島県物産陳列館(現在の原爆ドーム)でたまたま開かれた浮虜製作品展覧会で自慢のバウムクーヘンを出品した。
これが、日本で初めて焼かれたバウムクーヘンだった。1920年捕虜生活から解放されたカールは、家族を青島から呼び寄せ、横浜に店を開く。しかし、1923年関東大震災で店をすべて失う。その後、神戸にユーハイム本店を開設した。
1930年10月には、昭和天皇即位を記念して、献上菓子に選ばれている。