日本老年医学会学術集会で、東京都健康長寿医療センター研究所の研究チームが行なった調査で「やせた男性は太った男性に比べて介護が必要になるリスクが2倍」という結果が出た。
肥満の程度を知るための指数として、最近はBMI(体格指数:Body Math Index)が用いられる。目標とするBMIは18歳~49歳で18.5~24.9と設定。50代以上は下限を上げて、20〜24.9。
BMI (body mass index)の計算は
BMI = 体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
体重60kgで身長170 cmだと、22.5でちょうど良い。
計算器がココにあるので、ご自分のBMIを計算したい方はどうぞ。
同チームは2002年から2012年までの10年にわたり、群馬県草津町で高齢者健診を受けた計1620人について追跡調査。BMIや「総コレステロール」、肉や魚を多食することで増えるたんぱく質の「アルブミン」や「ヘモグロビン」の値に注目し、それぞれの項目について数値の高低で住民を4つのグループに分けた。
初診時には介護が不要だったが、その後に要介護状態となった人の割合を調べた。その結果、特に男性で大きな違いが出た。BMIが最も低い『やせたグループ(BMI15.9~21.0)』は、最も高い『太ったグループ(同24.9~39.9)』よりも、要介護状態になるリスクが1.9倍も高かった。
身長170cmの男性であれば体重60kg以下(BMI約21以下)よりも70kg以上(同約25以上)のほうが、老後のリスクが低いということ。これは健康診断などで用いられる診断基準と異なる。
この理由について、高齢者は健康のために粗食を心がけて、必須の栄養素が不足していることが原因らしい。最近の高齢者は、運動もしっかりするのだが、それに必要なタンパク質などが不足しているという。行き過ぎた粗食は危険ということ。
この辺を考慮した計算器がこちら。上の計算器で問題のある人も、この計算では安心できるかも。