大航海時代、ヨーロッパで世界中に航海し様々な珍しい植物を持ち帰ることが流行った。彼らは持って帰った珍しい植物の花を自分の庭で育て、庭作りを楽しんだ。一方で、それらの植物をボタニー(植物学)として、分類研究する指向も生まれ、スケッチとしての植物絵画が盛んに行なわれるようになっていった。
展示には、そのような植物絵がたくさん並ぶ。写真技術のない時代、分類のための精彩な絵で、完成した花付きの植物の横に、花粉、おしべ、種などが同時に描かれて、日本の牧野植物図鑑の世界を見ているよう。進化論のチャールズ・ダーウインが書いたスケッチもあった。
科学的な目的だった一方で、芸術的鑑賞に耐える内容のものも多い。
展示だが、イングリッシュ・ガーデンというタイトルでイメージするようなガーデンのテーマのものは少なかった。関連性があまり分からない展示も多く、まとまりがあまりない散漫な展示と感じた、ちょっと残念。それでも、植物の絵は癒されるものがある。