2015年2月19日木曜日

人気の除菌首かけマスクは便利そうだが効果ない

インフルエンザなどのウイルスや菌に効果があるという「除菌首かけマスク」という便利商品が爆発的に売れているという。他にも、部屋に置いておくだけで、除菌、除ウイルス効果、さらには花粉アレルギーまで効くというものまで登場している。

効果の原理は、これらのグッズから反応性が高く殺菌作用のある二酸化塩素というガスが出るようになっている。他にも、次亜塩素酸ナトリウム(ハイターの除菌成分)が含まれているものもある。

マスクと違い、首にかけるだけなので、マスクをつけることがはばかれる接客業や、メガネが曇るのでマスクを使いたくない人、女性ではマスクでお化粧が落ちないなどの理由で、便利というわけだ。

ところが、二酸化塩素が直接肌に触れると、化学やけどを起こし皮膚障害が残ることがある。除菌ストラップをつけていたら、除菌用品が当たっていた腿の部分に低温やけどが起こったなどの苦情が上げられている。

ところで、このようなグッズに効果があるかというと、ウイルスや菌の侵入口は口や鼻からだが、入る前に殺すほどの効果はそれほど期待できない。もし、期待できるほどの濃度にすると、たぶん口やノドの粘膜細胞が先に死んでしまう。

花粉症にも効果があると歌う商品もあるが、これはちょっとありえない。花粉の粒子表面の抗原を完全に変性させるには、さらに高濃度の条件にしないといけない。

また、二酸化塩素の沸点(気化する温度)は11℃なので、冬の外気条件ではほとんどガス化しないので、外でぶら下げていてもなんの役にも立たない。

また、部屋に置いておくだけタイプの場合、常時毒性のガスを吸うことになるので、将来的に健康に問題がでないとは言えない。

消費者庁は、大幸薬品や中京医薬品など全国の17の会社に対して、空間除菌できるという合理的根拠がない、として表示変更を求める措置命令を出した。

やはり、ウイルスや菌に感染しないためには、マスクと手洗が基本ということだ。



除菌首かけマスク

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