2015年2月12日木曜日

無洗米は、洗ってはいけない理由がある

「無洗米」が最初に出てきた時には、米を洗っていないという風にとらえられたそうだ。実際には、研ぎ洗いしなくても水を加えて炊くだけで食べられるようにしたもの。実は、無洗米は、洗ってはいけない。

従来の精白米では残っている肌糠(はだぬか)を取り去ってあるので、この糠を洗い落とすための研ぎ洗い作業の必要がない。

稲の穂の先にできた米は、黄色い殻に包まれた「籾(もみ)」の状態だが、この籾をとったのが、「玄米」。玄米はぬか層に包まれ、かつ胚芽(本来稲の芽が出るところ)がついている。このぬか層と胚芽を除去することを精米といい、精米されたお米を「白米」と言う。

白米にしても、米のまわりにまだ「肌ぬか」とよばれる、特有の匂いのある部分が残っていて、水で研ぎ洗うことで除くことができる。

無洗米を作る場合には、ぬかを使って肌ぬかをとる方法、水洗して乾燥させる方法、タピオカ澱粉と混ぜて吸着させて除く方法、ブラシや不織布、研磨機などでお米をこすって除く方法などさまざま。

無洗米に水を入れると白く濁る場合があるが、これは米のデンプンで、洗うとデンプンだけでなくビタミンなどの栄養も流出することになる。1回くらい洗いたくなるかもしれないが洗わないこと。

1人あたりのお米の消費量は年々減っているが、無洗米の生産量はこの10年ほどで4倍以上に増えている。

最初のころは、外食産業が時短のために利用していたのが、節水できること、冬場は冷たい水で手が荒れない、栄養のある洗い汁を下水に流さなくともよい(環境負荷が小さい)などのメリットもあり、だんだん家庭にも浸透してた。最近は、街角にあるコイン精米機も無洗米機能があるようになった。

自宅で精米する装置も最近は人気で、最新のものは無洗米機能もつくようになった(↓)。米の保存は玄米の状態の方が長く持つので、より美味しいご飯を食べたければ、炊く分だけ精米するのがベスト。うちでも使っているが、なかなか便利。



米粒




広島ブログ