榮久庵 憲司(えくあん けんじ)さんが亡くなった。といっても多くの人は知らないかもしれない。赤いキャップのキッコーマンしょうゆ卓上瓶(↓)のデザインをした人。
広島市の戒善寺の住職の長男として、1929年9月11日に生まれる。寺は原爆爆心地から500メートルのところにあった(今もある)。
東京芸術大図案科で学び、1957年にGKインダストリアルデザイン研究所を設立し所長になる。広島国際大学客員教授。日本を代表する工業デザイナー。勲四等旭日小綬章、伊コンパッソ・ドーロ賞国際功労賞など。
特に、キッコーマンしょうゆ卓上瓶は61年の発売以来のロングセラーで、国内外向けに約4億本生産された。それまでしょう油は陶器の容器にいれていたのが、ガラス製で残りも見え、液だれしない機能性とすっきりした赤色カップも合理的デザインだった。
ほかに、ヤマハのオートバイ、大阪万博の電話ボックスやモノレール、秋田新幹線「こまち」の車体、日本中央競馬会, コスモ石油、ミニストップのロゴマークなど、数多くのデザインを手がけた。