2015年2月28日土曜日

大塚家具「お家騒動」どう見る

大塚家具「お家騒動」は、創業者の会長と長女の社長との間で、経営をめぐって対立が続いている。テレビで連日記者会見を別々に行なう姿は、マスコミ好みのくだらないお家騒動にみえる。

大塚家具は、タンス職人の子だった大塚勝久氏が、昭和44年に埼玉県春日部市に桐箪笥を販売する「大塚家具センター」として創業した。会員制で高級家具を販売し、現在年商560億円だが、この業界では一番だった。

平成21年に創業者の娘である大塚久美子が社長に就任した後、イケアやニトリが安くて品質のよい家具を個人向けに行なう販売戦略を始め、追い越されてしまった。平成26年、久美子社長が解任され取締役に、父の勝久会長が社長を兼任。翌年には、久美子取締役が社長に復帰する。

久美子社長は、今までの会員制の販売体制をやめ、イケアやニトリのような販売体制を主張している。会見で、「会社が発展する段階で、どこかで創業者から離れなければならない」と述べ、創業者を外す次の経営体制案は妥当だと主張した。

一方、勝久氏会長は、娘が示している次期の経営体制は経営にプラスになるとは思っていない、と主張。

こんなお家騒動は会社の経営が混乱すると思われるので、会社の株は下がるところだが、逆に上がっている。

久美子社長が、一株40円から80円に引き上げる大幅な増配を突然発表したためだ。増配の恩恵を受ける株主たちは、現経営陣側を支持することにもなる。会社の株を下げることもなく、自分に対する票も稼いだことになる。

創業者としての気概は分かるが、ここまで出来る娘なのだから、勝久氏は後進に道を譲る時期なのではないだろうか、と個人的には思う。

いずれにせよ、結果として、今まで大塚家具を知らなかった人には、ずいぶん宣伝になった。


大塚久美子



広島ブログ