2015年2月8日日曜日

注意!食べ物の「あく」 アブナイものと体によいもの

「あく」というのは、元々「灰汁」(あく:草木の灰を水と混ぜた後の上清液のこと)のことで、この灰汁を使って食品のもつ渋味などの成分を除くのに使ったことから、除かれる側の食品のえぐ味、渋味、苦味のなど成分もさすようになった。

ホウレンソウなどの「あく」の成分はシュウ酸で、苦み、えぐみのもと。シュウ酸はカルシウムと結合しシュウ酸カルシウムとなるので、カルシウムの吸収を阻害し、さらに出来たシュウ酸カルシウムが体内に蓄積し結石の原因となる。

ホウレンソウをゆでると、シュウ酸はゆで汁に溶け出すので「あく」は除ける。「あく」を除かないと、次第に体内にたまって尿路結石や胆石になって痛いめにあうことになる。

また、ワラビやゼンマイなどの山菜を「あく」抜きしないで食べると、「ワラビ中毒」になる。この場合、「あく」はチアミナーゼという酵素で、ビタミンB1を分解する作用がある。

大量に食べると体じゅうが大量出血症状になり、骨髄がしだいに破壊され死に至る。実際、牛などの動物が牧草中のワラビを食べて、時々中毒になることがある。

考えてみれば、植物は動物に食べられないように、えぐ味、渋味、苦味の成分を持っていると考えられる。毒性のあるものも、自分を守るためと考えれば、自然の摂理だなと思う。

このような「あく」も最近は、見直されてきている。ポリフェノールというのは、渋み、苦みの成分だが、これに抗酸化作用があるということで、適度な量であれば体にはよいとされる。お茶、柿などのタンニン、ぶどうやりんごなどの色の成分、コーヒーの苦み成分など。

また、ゴボウなどの「あく」はタンニンで(ゴボウを水にさらすと水が赤茶色になるのはタンニンの流失のため)、適度にタンニンを残すことで、風味が増すし、健康にもよいとされる。

ただし、ポリフェノールを大量に摂取すると、肝臓障害を引き起こす。最近の高濃度のカテキンやクロロゲン酸(いずれもポリフェノール)の入った飲料には注意が必要(以前のBlog参照ココ

ところで、山口県「美東ごぼう」をご存知でしょうか?お値段は普通のごぼうよりだいぶ高めだが、秋吉カルスト台地の赤土で育った特別なごぼうで、柔らかで風味が特別。これを食べたら、普通のには戻れなくなるくらい。一度お試しを。



美東ごぼう


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