映像は約1分間。20日に投稿された映像と同じようにイスラム国のロゴマークが入っていた。日本政府へのメッセージとの表題で、オレンジ色の服を着て、後ろ手に拘束されてひざまずく後藤さんと、ナイフを持った黒ずくめで覆面姿の戦闘員の男が登場する。
日本政府よ。
邪悪な有志連合を構成する愚かな同盟諸国のように、お前たちはまだ、我々がアラーの加護により、権威と力を持ったカリフ国家であることを理解していない。軍すべてがお前たちの血に飢えている。
安倍(首相)よ、勝ち目のない戦争に参加するという無謀な決断によって、このナイフは健二だけを殺害するのではなく、お前の国民はどこにいたとしても、殺されることになる。日本にとっての悪夢を始めよう。
映像はこのあと、後藤さんの首にナイフを突きつける場面、その後、遺体が映し出される。
イスラム国は1月20日、後藤さんと湯川さんを拘束している映像を公開し、日本政府に対して「72時間以内に2億ドルを支払え」と要求した。24日には「湯川さんを殺害した」と主張して遺体とみられる画像を公開。
その後、身代金の要求を取り下げ、リシャウィ死刑囚と後藤さんの「捕虜交換」を要求した。さらに27日には死刑囚を釈放しなければ、24時間以内に後藤さんとカサスべ中尉を殺害すると脅迫。29日日没までに、死刑囚をトルコとの境界に連れてくるよう求めていた。
イスラム国にとって、身代金はもともと必要なかったと思われる。また、リシャウィ死刑囚の解放も、それほど重要ではなかったようだ。これまでの西欧の人質事件と同じように、自分たちの存在を伝える世界への強いメッセージが目的だと思われる。
日本人の多くは「日本は好戦的でないし、彼らとは距離があるので何故」と考えてるかもしれないが、彼らにとってはイスラム国か反イスラム国でしか見ていない点に注意すべきだ。