2015年3月20日金曜日

温泉の恐怖 一息でも吸うと助からない硫化水素

18日午後5時ごろ、秋田県乳頭温泉の源泉の調整作業をしていた男性3人が倒れた」という通報があり、救急隊員らが現場に向かったが、3人とも心肺停止状態だったいう。

3人が倒れていた現場には、雪面を掘ってできたくぼ地があり、中に温泉を引く引湯管からガスを抜くためのバルブがあった。たぶん、ガスに含まれる硫化水素がくぼ地にたまっていたと考えられる。

硫化水素は、空気より重いので、くぼ地にたまっていたのだろう。硫化水素はゆで卵のような匂いがする。噴火口や硫黄泉などの匂いを硫黄の匂いということがあるが、本当は硫化水素の匂いをさしている。

硫化水素の毒性は、細胞内のミトコンドリアに存在するシトクロムCオキシダーゼという酵素が阻害されることで起こる。高濃度のガスを吸うと呼吸麻痺を起こし、1息でも助からない。

低濃度でも、嗅覚を麻痺させる作用もあるので、高濃度の方に近づいても気づかないで結果的に死亡することもある。

実は、知り合いとその家族も同じように硫化水素で犠牲になった。

秋田県湯沢市の泥湯温泉で、本人以外の3人が湯でとけてできた雪のくぼ地にたまったガスで倒れた。最初、子供2人が円盤状のオモチャを投げて遊んでいて、そのオモチャがくぼ地に入った。

それを追いかけ、子供2人が倒れた。さらに母親が助けに行って倒れる。知人は子どもの1人を助け出そうと抱え上げたが、そのまま倒れたという。悲しい事故でした。


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