2015年3月26日木曜日

卵子凍結保存で将来にそなえる

このところ、卵子凍結保存が話題になっている。

卵子凍結保存は、もともとは、ガンの治療のため、若い女性が化学療法や放射線療法を受ける前に卵子を体外に取り出すことで、卵子に影響を与えないようにして、ガンが完治したあと体外受精で妊娠出産するために使っていた。

ところが、最近の女性の晩婚化に伴って、将来の妊娠に備えて自分の卵子を凍結保存することが増えてきているという。

千葉県浦安市は少子化対策の一つとして、卵子を凍結保存すると、手術代が100万円かかるところ、30万円の自己負担で済むように補助することを決めた。

卵子は採取したあと、マイナス196℃の液体窒素で凍結保存される。一度凍結すると、どれだけ時間がたっても保存は大丈夫。問題は、採取する年齢と体外受精する年齢。

卵子を採取する年齢は早ければ早いほどよい。30歳代で30%、36歳で16.8%、40歳で8.1%、42歳で5%、45歳だと1%以下と年齢に伴って胎児にある成功率が低下していく。

採取する年齢が高まるほど卵子の質が劣化または老化し、染色体異常などが起こりやすくなり、ダウン症の発症率も増加する。

保存していた卵子を体外受精して、子宮に戻して出産できる年齢も限界がある。高齢分娩の場合、母体の健康が損なわれたり、流産・早産の可能性が増加する。ただ、40歳を越えても可能性は十分ある。

卵子凍結保存は、経済的、精神的にも余裕ができてから子供が産めるし、子育てできるメリットもあり、今後も増えるだろう。ただ、一度取り出された卵子は売買可能になるので、市場価値が生まれる可能性もあり、社会的コンセンサスや法的整備なども必要になる。


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