アスベストは、髪の毛の5,000分の1(直径0.02-0.35 μm)とう細い繊維からできている鉱物(繊維状けい酸塩鉱物)。安価で耐熱性、保温性があるので、断熱や火災防止のために建物の壁や天井に吹き付けされたり、自動車、列車など様々なところに使われてきた。
ところが、アスベストを扱っていた人がたくさんガンで死亡することがわかり、発がん性があることが確認された。細い繊維が肺などに残り、肺ガンや肺線維症(じん肺)を引き起こすのだ。
吸引してから発病までの潜伏期間が10年以上と長く、放射性物質と同じで「静かな時限爆弾」と言われている。
日本では1975年に吹き付けアスベストの使用が禁止され、0.1%以上含む製品の出荷が原則禁止になっている。
アスベストは、その繊維が微細なため空気中を長く漂い、それを人が吸い込むのが問題。そのため、昭和のアスベスト吹き付けした建物などを解体する時は、飛散しないようビニールなどで覆いながら、解体作業者は作業するとき防護服や特別なマスクをつける必要がある。
さて、今回のボンベ爆発事故で、なぜアスベストが使われていたかだが、アセチレンは非常に不安定で、圧縮ガスとしてボンベに貯蔵していると火がなくても爆発することがある。アセトンを浸みこませたアスベストをボンベに入れておくと、アセチレンは安定になり爆発することがなくなる。
爆発した工場の近郊の空気にはアスベストが飛散しているはずなのに、2カ所の測定結果では基準値以下との県の発表はちょっと不安が残る。