気孔は、植物における二酸化炭素の唯一の取り込み口。しかし、これまでに気孔開口を制御する技術は報告 されていなかった。 研究者たちは、気孔を開かせる原動力となる細胞膜プロトンポンプをシロイヌナ ズナという植物の気孔で増加させたところ、気孔の開口が25%ほど大きくなることを発見した。その結果、植物の二酸化炭素吸収量が約15%向上し、生産量が1.4~ 1.6倍増加することがわかった。
今後、この技術を用いることにより、農作物やバイオ燃料用植物の生産量増加や、植物 を利用した二酸化炭素削減への応用が期待される。この研究成果は、米国科学誌Proc. Natl. Acad. Sci. USAに掲載される。
実は、似た話があって、植物の気孔の数を増やす働きをするペプチドホルモン「ストマジェン」が、2010年に京都大学の研究者により発見されている。この場合も、二酸化炭素削減などの効果が期待されている。こちらは、遺伝子操作するのではなく、この液につけておくだけでよいらしい。
写真はツユクサの気孔
2個(特に黒いところ)みえる
2個(特に黒いところ)みえる