2013年12月31日火曜日

気孔大きくして、二酸化炭素削減へ

気孔は、植物の葉などの表面にある穴で、植物はそこから二酸化炭素を取り込み、光合成により最終的にでんぷんやセルロースなどの糖を作る。この気孔の開口を大きくして、植物の生産量の増加させることと、空気中の二酸化炭素の削減が同時にできる技術を名古屋大学の研究者が開発した。

気孔は、植物における二酸化炭素の唯一の取り込み口。しかし、これまでに気孔開口を制御する技術は報告 されていなかった。 研究者たちは、気孔を開かせる原動力となる細胞膜プロトンポンプをシロイヌナ ズナという植物の気孔で増加させたところ、気孔の開口が25%ほど大きくなることを発見した。その結果、植物の二酸化炭素吸収量が約15%向上し、生産量が1.4~ 1.6倍増加することがわかった。

今後、この技術を用いることにより、農作物やバイオ燃料用植物の生産量増加や、植物 を利用した二酸化炭素削減への応用が期待される。この研究成果は、米国科学誌Proc. Natl. Acad. Sci. USAに掲載される。

実は、似た話があって、植物の気孔の数を増やす働きをするペプチドホルモン「ストマジェン」が、2010年に京都大学の研究者により発見されている。この場合も、二酸化炭素削減などの効果が期待されている。こちらは、遺伝子操作するのではなく、この液につけておくだけでよいらしい。

写真はツユクサの気孔
2個(特に黒いところ)みえる

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