2013年12月23日月曜日

世界初の遺伝子組み換えイネ、発売へ

世界初の遺伝子組み換えイネの生産が、環境保護団体などの強い反発をよそに、今後2、3年以内に承認、発売される見通しと、フィリピンの研究所が発表した。新しく開発された遺伝子組み換えイネの「ゴールデンライス」は試験栽培を完了したという。

このゴールデンライスは、ビタミンAを作り出すように遺伝子組み換えが行われている。発展途上国の多くの人々の食事にはビタミンAが不足しており、この米を食べることで、ビタミンA不足による免疫の低化や失明などが予防できる。

遺伝子組換え食品については、前にも触れたが、第一世代の遺伝子組換え作物は、その作物作りを便利にするようなものが多かった。例えば、害虫にだけ効果のある毒の遺伝子を発現させて、害虫が付かないようにしていた。これは、生産者からみると、農薬も使わないので利点が多いが、消費者側からみると、毒ということで抵抗があった。第二世代は、機能性のある遺伝子を発現させるというもの。今回の例がこれに当たる。

実は、日本でもいくつか遺伝子組み換えイネが作成されてきている。農業生物資源研究所が開発中の「スギ花粉症対策イネ」がそのひとつ。スギ花粉のアレルギーの原因になるアレルゲンをイネに発現させている。これを食べて、長い時間かけて少量ずつ体内に入れることで、体をアレルゲンに慣らすのである。今年から、隔離された農地で試験栽培がスタートした。しかし、一般に広めるには、安全性の十分な確認が必要だろう。





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