昨日に続き、睡眠の話。動物の睡眠はどうなっているのだろうか?
動物に必要な睡眠時間は、種ごとの体のサイズに依存する。例えば小型のネズミでは15時間 - 18時間、ネコでは12 - 13時間、イヌでは10時間、ゾウでは3 - 4時間、キリンではわずか30分 - 1時間である。これは大型動物ほど代謝率が低く、脳細胞の傷害を修復する必要が少なくなるためとも考えられている。
また小型の動物は他の動物に捕食者として狙われやすいので、無防備になる睡眠時間は短い傾向がある。サイズが同程度であれば、草食動物は睡眠時間は短く、肉食動物は長い傾向にある。草食動物は、食料のカロリーが少ないので多量に食べる必要があり、長時間食べることになり、睡眠時間は短くなる。一方で肉食動物は、食物は高カロリーであるため、一度食物を得た後はしばらく食物を摂る必要が無い。そのため何もしない時間が多く、その間は睡眠によって消費カロリーを抑えていると考えられる。
以下は、動物種による睡眠時間のちがい。
動物の1日当りの推定睡眠量Meddis,R,"Sleep Instinct" R.K.paul,London (1977)
(睡眠 井上 昌次郎著 化学同人より)
時 間 | 種 名 |
24-21 | |
20 | フタツユビナマケモノ(オオナマケモノ) |
19 | キタオポッサム、オオチャイロコウモリ、コチャイロコウモリ、ミズオポッサム |
18 | ジュウニオビアルマジロ(オオアルマジロ) |
17 | ヨザル、ココノオビアルマジロ |
16 | ホッキョクジリス |
15 | ツバイ |
14 | ネコ、ハムスター(ゴールデンハムスター) |
13 | ハツカネズミ(マウス)、ネズミ(ラット)、ハイイロオオカミ、ジリス、テンレック、ユビムスビ |
12 | ホッキョクギツネ、チンチラ(ケイトネズミ)、ゴリラ、アライグマ |
11 | アメリカカイリ(ビーバー)、スローロリス |
10 | ジャガー、ベルベットモンキー、ホシバナモグラ、パタスザル、ガラゴ、
サバクハリネズミ、メクラネズミ、ヨーロッパハリネズミ |
9 | アカゲザル、チンパンジー、ヒヒ、アカギツネ |
8 | ヒト、ウサギ、テンジクネズミ(モルモット)、トウブモグラ、ブタ、ハリモグラ、
アフリカオオホホネズミ |
7 | |
6 | ハイイロアザラシ、ハイイロイワダヌキ、ブラジルバク |
5 | キノボリイワダヌキ、イワダヌキ(ハイラックス) |
4 | |
3 | ウシ、ヤギ、アジアゾウ、アフリカゾウ、ロバ、ヒツジ |
2 | ノロジカ、ウマ |
|