2014年3月21日金曜日

トランス脂肪酸→肥満、心筋梗塞、流産↑

日本以外の先進国の多くで、トランス脂肪酸の使用は制限されている。中国でさえ、トランス脂肪酸の食品含有量表示を義務付けている。米国では、昨年11月についにトランス脂肪酸の添加や使用が禁止する決定をし、トランス脂肪酸を多く含むマーガリンは販売禁止となった。

これは、トランス脂肪酸が人の健康に有害であることが明らかになったからである。日本でも、TVやマスコミなどに取り上げられてきているのに、規制はかかっていない。

トランス脂肪酸は、工業的に植物油を高熱処理、水素添加処理し、液体の油を固化させる過程で生成される。

ご存知の通り、てんぷらなどに使う植物油は常温では液体だが、動物油やバターは固体。マーガリン、ファットスプレッド、ショートニングは、バターの代わりとして使いやすくするために、植物油なのに固体状になっている。これは、水素添加処理をともなっているから。この便利さと引き換えに、マーガリンやショートニングはかなりトランス脂肪酸を含んでしまう。

脂肪酸は脂肪や細胞膜を構成する脂質分子で、我々の体に必須。脂肪酸分子の疎水性の長い部分の構造にはシス型とトランス型があるが、生体内では、シス型しかない。シス型の脂肪酸は、体の中でちゃんと代謝されるが、トランス型はそれができないし、正常な代謝を阻害する。

トランス脂肪酸は、体内に入ると、血液中の悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らす働きがあるため、心筋梗塞や狭心症のリスクを増加させ、肥満を発症させる。また、アレルギー疾患を増加させ、胎児の体重減少、流産、死産を生じさせる可能性があること、また、母乳を通じた乳児へのトランス脂肪酸の移行が研究等で確認されている。 

特に問題視されるのが、マーガリン、ショートニング、クリームなどである(これらに含まれる量については、以前のブログのココを参照)。また、ドーナツ、フライドポテト、鳥の唐揚げなど各種揚げ物にも広範囲に含有される。

体に、知らぬ間にだいぶ入り込んでいると覚悟した方がよい。一日当たり約2グラム未満が目標量とされているが、しだいに体に溜まっていくことを考えると、少ないに超したことはない。

日本の農林水産省は未だに積極的な対応はしていない。製造メーカーの政治的圧力のせいだろうか?ぜひ、一刻も早くトランス脂肪酸の表示義務化、使用規制に踏み込んでほしい。

最近は、民間レベルで食品製造業者が自主的に食品のトランス脂肪酸の含量を記載するようになってきてはいる。トランス脂肪酸の多いマーガリンを止めて、バターにするだけでもだいぶ違うと思う。
 

マーガリン

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