ワインを飲むと、アルコールの量としてそれほど飲んでいないにもかかわらず、頭痛がしたり、湿疹がでたり、せきや鼻水が出たりする人がいる。これは、ワインの防腐剤や酸化防止剤として入っている「亜硫酸ナトリウム」が原因。
亜硫酸ナトリウムは、カビや細菌などの発育を抑え、酸化を防止してワインを長く保存するために添加されている。また、ドライフルーツの退色を防いだり、干し肉を保存するときの防腐剤としても用いられる。かんぴょうやこんにゃくにも含まれる。
厚生労働省の基準によると、ワインへの添加濃度は0.35 g/kg (350 ppm) 未満に決められている。
亜硫酸ナトリウムは、生物には毒で、ウサギに、体重1kg当たり(二硫化硫黄として)0.6~0.7g経口投与すると、その半数が死亡する。人間の場合、体重1kg当たり0.0035g (体重60kgなら0.21g) で嘔吐を起す。
しかし、この基準値からみると、ワイン1本を飲んでも、亜硫酸ナトリウムそのものが体に毒というレベルではない。しかし、花粉症と同じで、飲み続けているうちに、知らぬ間に突然アレルギーになることがある。
オーガニックワインには、亜硫酸ナトリウムが添加されていないので、保存は長くできないが、アレルギーの人でも問題なく飲める。(ラベルには、添加物についてちゃんと書いてある)
実は、ワインには、他にもアレルギーを生み出す物質がある。ワインに含まれるアルコールそのものに対してもアレルギーになるらしい。この場合、お酒全般で同じ症状がでる。
また、ワイン中のアミンもアレルゲン(アレルギーの原因)になる。アミンは、添加物ではなく、製造過程ででき、チーズなどにも含まれる。また、ワインとビールでは同じくらいアミン類が含まれている(しかしビールには亜硝酸塩は含まれていない)ので、ワイン、ビールどちらを飲んでも症状がでる場合は、アミンが疑われる。