小石それ自体が成長して大きくなることはない。長い年月をかけて多数の小石の隙間を炭酸カルシウムや水酸化鉄が埋めることによって、1つの大きな岩の塊に変化し、巌となる。これは、いわゆる礫岩(れきがん)のこと。
兵庫県の赤穂市(下の地図)に立ち寄った。忠臣蔵で有名な大石内蔵助や赤穂浪士47士を祭る神社、大石神社に参ってきた。そこには、鳥居から神社までの間に、赤穂浪士47士の像が並んでいて、大願成就ののぼりが目立っていた。仇討ちを成功させたという意味だろうか、大石神社には大願成就の御神徳があるそうだ。
お参りした後、境内の一角に「君が代」の「さざれ石」を見つけた!(写真)
説明書きの看板には、「国歌君が代に詠われるさざれ石」とあり、徳島県海南町中部山渓から採られ、奉納されたものとある。
実は、あとで調べて分かったことだが、「君が代」の「さざれ石」は、岐阜県揖斐川町春日さざれ石公園にあるのが本物らしい。平安時代、藤原朝臣石位左衛門が、この「さざれ石」を思い浮かべながら詠んだ歌で、古今和歌集に選されている。
わがきみはちよにやちよにさざれいしのいはほとなりてこけのむすまで
この歌の冒頭が「君が代」ではなく、「わがきみ」なので、我が君の「君」は恋人という説が主力のよう。そのため、「君が代」は、恋を歌った詩が原型なのかもしれない。
大石神社を含め、京都下鴨神社、大阪道明寺天満宮、島根出雲大社など日本中にある「さざれ石」だが、君が代とは関係ないらしい。