2014年3月10日月曜日

米国 3人に1人が進化論を信じていない

米世論調査機関ピュー・リサーチ・センターが発表した進化論に関する調査から、米国人の約33%が進化論を信じておらず、人間ははじめから現在の姿のままで存在してきたと考えていることが分かった。

調査結果によると、自然淘汰のようなプロセスによって人間が進化してきたと考えている米国人は、調査対象の約32%にとどまることが判明。また米国人の約24%は、人間の進化が神によって導かれたと信じているという。

しかし、これは米国人が頭が悪いというわけではない。少し事情がある。

米国では、キリスト教を信じる人が人口の76%。特に多いのは、プロテスタントの信者で、人口の51%。聖書には、神が天地を創造し、人を作ったと考えられている。1920年代には公立の学校で進化論を教えることを禁じる法律が各州にあった。

1925年、進化論を禁じていたテネシー州の公立校で進化論を教えた教師が逮捕された(スコープス裁判)は有名。現在でも、進化論と創造論の扱いは、各州に任されていて、今でも60%の生物学教師は、授業で進化論を積極的に取り入れようとしないという。

別の調査機関、米国科学振興協会の調査結果によると、米国人のおよそ4人に1人は地球が太陽の周りを公転していることを知らなかった。地球が太陽の周りを公転していると知っていたのは回答者の74%だった。この調査結果でも進化論を信じている人は48%だった。

日本で11年に実施された同様の調査では、進化論に対する正答率は76%。だが、「男か女になるかを決めるのは父親の遺伝子(正)」や「電子は原子より小さい(正)」では米国人の正答率のほうが20ポイント以上も高く、必ずしも「日本人の方が科学知識に富んでいる」とは言えないようだ。

参考AFP



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