マダニによる感染病は、場合によっては重篤なものや死に至る怖いものが多い。
ライム病は、マダニに媒介される細菌の感染によって起こる感染症。病原菌のボレリアは、スピロヘータの仲間。ノネズミ、シカ、野鳥などが保菌者で、マダニがこれらの動物を吸血して菌を取り込み、人を吸血する時に菌を血液中に注入する。
名前の由来は、アメリカコネチカット州のライムで1975年に最初に確認されたことにちなむ。
日本では、シュルツェマダニ(↓)が媒介者となっている。ヤマトマダニも疑われている。シュルツェマダニは、中部地方以北で密度が高く、北海道では平地の草むらでも普通に見られる。一方、ヤマトマダニは日本中に分布している。
マダニはとりつくと、数日間吸血し続け、若虫では数 mm、成虫では1 cm 程度大きくなるまで吸い続ける。このとき血液に注入された細菌は、全身に広がり皮膚症状、神経症状、心疾患など多様な症状があらわれる。
時には、脳卒中のように口が回らず、半身が不随になったりもする。カナダのロック歌手、アヴリル・ラヴィーンさんは、ライム病のため5か月間寝たきりの状態が続いた。現在は病状はだいぶ回復したという。
草むらや野山に行く場合には、足首やふくらはぎなど肌を露出しないこと。
ダニを取り除くときには、ピンセットや毛抜きなどを用いて、ダニの頭か口を挟んでまっすぐ引き抜く。体の部分を挟むと、その力で細菌が体に入ってしまう。むつかしい場合は、病院に行くこと。
問題になるダニは、案外身近なところにいるので、ご注意を。
(以前のBlogでも紹介ココ)