2015年12月22日火曜日

カフェイン中毒で国内初の死者 缶コーヒーは1日1本まで

ガソリンスタンドに深夜勤務していて、カフェイン入りの清涼飲料水を眠気覚しに常用していた九州の男性がカフェイン中毒で亡くなった。胃の内容物にもカフェイン錠剤があったという。

最近眠気覚ましに効果がある、エナジードリンクを日常的に大量に摂取していたという。これには、カフェインが大量に含まれている。

実は、カフェインが原因で死亡する例は国内初。米国では、カフェイン中毒死がすでに報告されていて、遺族が飲料メーカーを訴える訴訟事件も起こっている。

カフェインはアデノシン受容体に拮抗するために覚醒作用を起こす。また細胞内Caイオンの上昇を引き起こすが、分子作用についてはよく分かっていない。

カフェインの中毒には、急性と慢性がある。急性中毒は、体重が60kgの人が、1時間以内に390mg以上のカフェインを摂取すると、50%の人が急性中毒の症状を起こす。

カフェインの慢性中毒は1日250mg以上の摂取で起こる。薬事法では1回(1錠)あたりに500mg以上のカフェインを含むものを劇薬に指定している。

モンスターエナジーという飲料には、1缶あたり240mgの多量カフェインが含まれている。米国でこれを2本飲んだ少女が急性中毒で亡くなっているのが、上に書いた訴訟事件。

缶コーヒーによっては1缶160mgというものもあり、中毒にならないように毎日飲む場合には1缶が限界ということになる(様々な飲み物のカフェイン量については、以前のBlogを参照ココ)。

特に、若い受験生は、毎夜エナジードリンクに頼って睡眠を減らして勉強するのは危険。

脱法ドラッグがここ何年か前から問題になっているが、カフェインはある意味で同じ中毒性の毒。今回のことで、今後、カフェイン入り飲料になんらかの制限が法律でかけられることになる可能性が高い。

亡くなった男性の事情はこれから明らかになっていくかもしれないが、カフェインで無理やり眠気を抑えて働かないといけない人がたくさんいるなら、そちらの方が問題の根が深い。



モンスターエナジー


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