「筌の口」の名前は、川漁に用いる筌(細長い2重のカゴで、魚が中に一度入るとでられなくなる竹製の装置)に似ていることからついている。
江戸時代からある温泉で、明治には川端康成が、小説の構想を練った地としても知られる。現在は、旅館1軒と共同浴場があるだけ。
泊まったのは、その一軒宿の「旅館新清館」。木造3階立てで歴史を感じる建物。隣接して、共同浴場もある。
内湯と露天があり、内湯は炭酸泉ということだったが、あまり露天と変わらないように思えた。露天の泉質はすばらしい。赤味を帯びた濁り湯で、少し鉄分の匂いがする。ちょっと口に含むと、独特のうま味を感じる。
露天の温泉の面積は広く開放的で、そばをせせらぎが流れている。近くでカエルの声も聞こえた。今回は入らなかったが、共同浴場は200円ということなので、立寄りでもおススメです。
勝手な温泉評価:★★★★☆
泉 質:ナトリウム・マグネシウム・カルシウム-炭酸水素塩・塩化物・硫酸塩泉、pH 6.67
泉 温:源泉 48.5℃
<効能>
神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、打ち身、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進、慢性皮膚病、慢性婦人病、糖尿病、きりきず、火傷など
旅館新清館
〒879-4911 大分県玖珠郡九重町大字田野1427番地の1
TEL:0973-79-2131(代)
露天は掛け流しで広々している。すぐ横に細い川が流れている。
新清館の玄関
濁ったお湯で、出てからも体がなかなか冷えない。
隣の共同浴場
近くを流れる鳴川(さっきのせせらぎとは別)は、流れは弱いのに大きな音が出る朝日長者七不思議の1つらしい。