2016年4月17日日曜日

コーヒー:「カラダに悪い」から「今は良い」に

コーヒーといえば、少し前までは体に悪いということだった。確かに、黒い色をしていて苦味があり、飲むと歯に着色が残るなど、体によさそうに思えない。それを理由にコーヒーを飲まない人も多い。

確かに、コーヒーを飲むと膵臓ガンになると言われたこともある。ところが、最近は、コーヒーが体に悪いどころか、「体によい」ことになってきて、さらに「飲むべき薬」になりつつある。

まず、その膵臓ガンになるリスクだが、より最近の疫学調査では(国立ガンセンターの発表による)、リスクが高くなることはなかったそうだ。それどころか、男性の場合、毎日1、2杯コーヒーを飲むことで、膵臓ガンリスクが30%減少するという。なぜ性別で差があるのかは不明だが、コーヒーに関しては、後で出てくるように案外男女差がある。

コーヒーが体によいとされる効果をまとめてみた。

【ガン予防効果】
  • 肝臓ガンの発生リスクは、「ほとんど飲まない」人に比べ、「ほとんど毎日飲む」人では50%に、「1日に5杯以上飲む」人では25%に低下する。
  • 子宮体ガンの発生リスクは、「1日1~2杯飲む」人では40%、「1日に3杯以上飲む」人では60%低下する。
  • 大腸ガンの発生リスクは、女性だけ「1日に3杯以上飲む」人では30%に低下する。
  • 皮膚ガンの発生リスクは、「1日3杯以上飲む」女性は、そうでない人に比べて皮膚がんの発症率がかなり低い。
【肝臓によい】
  • C型肝炎患者で、ALTという酵素の量を調べると(肝細胞が壊れると上昇する)、毎日コーヒーを飲んだ場合、1年後のALT値が低下するという結果から、肝臓によいと考えられる。
  • アルコール性肝硬変を防ぐ効果がある。
【脂肪燃焼効果
  • 花王の「ヘルシアコーヒー」で宣伝されているように、コーヒーに含まれるクロロゲン酸は、細胞内のミトコンドリアにはたらきかけ、脂肪の取り込みを促進する。その結果、脂肪は効率よく燃焼する。さらに、体脂肪が低減する。
【糖尿病によい】
  • 「コーヒーを1日7杯飲む」人は、1日2杯以下の人に比べて2型糖尿病の発症リスクが50%下がる。
  • コーヒーに含まれるクロロゲン酸には、マルトースをグルコースに分解する酵素であるα-グルコシダーゼの阻害活性があり、食後の血糖上昇の抑制するので糖尿病発症のリスクが低くなると考えられている。
【心臓病や脳卒中リスクを減らす】
  • コーヒークロロゲン酸は、体に入ると肝臓で代謝されて半分以上がフェルラ酸という成分に変わる。これが血管内で血小板が固まるのを防ぎ、「血液サラサラ」効果がある。
というふうに、コーヒーは今や良薬のように扱われている。ただ、かつて膵臓ガンになりやすいという研究成果があったように、研究もより精度を上げていくと思わぬ逆転が待っているかもしれない。なんでもホドホドがよいのではないでしょうか。

もし、あなたがお茶の方が美味しいと思うなら、お茶にもコーヒーと似た有効性分は多く入っているので、コーヒーにこだわる必要はないと思います。

クロロゲン酸については、以前に書いたBlog「ヘルシアは脂肪を燃焼しない?高濃度カテキンの恐怖」をご覧ください(ココ)。

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