九州大学の森田教授を中心とするグループが、理論的に存在するはずの113番目の元素を発見し、日本に初めて命名権が化学に関する国際機関から与えられた。
これまで元素を発見した国は、欧米とロシア以外にはなく、日本が元素の命名権を与えられたのは今回が初めてで、アジアでも初めてのことになる。
グループは、この元素を日本ということばを取り入れた「ニホニウム」と命名すること、また元素記号の案を「Nh」に決めたと併せて発表した。
名前として「ニッポニウム」でもよかっただろうが、以前に日本人研究者が新元素を発見し「ニッポニウム」と提案したところまでいったのだが、すでに知られている元素と同じであることが分かって廃案になっている。
国際機関では、これから5か月間、一般から意見を募集したうえで、ことしの末か、来年のはじめごろ、名前と元素記号を正式に決定する見通しという。
「ニッポニウム」の名前には、「2011年の原発事故によって失われていた、日本人の科学に対する自信と日本の科学への信頼とを、再び取り戻すことができるよう期待している」との思いがあるとのこと。
このような研究は、応用には役に立たないだろうが、基礎研究こそが天然資源を持たない日本の産業の基礎となる。日本人科学者の快挙に拍手を送りたい。