カットしたリンゴがビニールの袋に入っている「カットリンゴ」が売れているそうです。「アップルスイーツ」などの名前で売られていて、場所を選ばず、健康的ですぐ食べられる新感覚デザートとして、人気だという。
切っただけのリンゴだけでなく、ハチミツやキャラメルソースがかかったものもある。
最初、東京や大阪の大都市で自販機で売られて人気になったそうですが、今ではコンビニでも袋入りのカットリンゴが売られている。
リンゴはカットすると、カット面から茶色く変色するのはご存知のとおり。「カットリンゴ」は、変色を防ぐ工夫がされていて、冷蔵庫で2週間は変色せずもつという。
リンゴが変色するのは、カットされて露出した表面にあるリンゴポリフェノールが空気中の酸素と反応して酸化され茶色に変色するから。リンゴにはリンゴポリフェノールを酸素と反応させる酸化酵素も含まれていて、この酵素が働くため。
昔から、カットリンゴをお弁当箱に入れる時、お昼ご飯時まで変色を抑えるために、塩水につけることはご存知のとおり。塩水は、リンゴの酸化酵素の活性を抑制させることができる。
ただ、塩水ではそれほど変色防止は長持ちしない。もちろん塩水にずっと浸けておけばよいかもしれないが、それではリンゴが塩辛くなってしまう。
「アップルスイーツ」のように2週間も変色させないようにするには、ワザがある。酸化を抑えるのに、塩水の代わりにビタミンCの液に浸けている。ビタミンCは強力な抗酸化作用がある。
売っている様々なジュースや飲料などの成分表をみてみると、ビタミンCが必ず入っている。これは、ビタミンCを健康のために加えているのではなく、ジュースの酸化を防ぐため。その量はごく少量で、けっしてヒトの1日に必要なビタミンCがとれるというようなものではない。
そういうことなら、2週間もつ「カットリンゴ」は自宅のキッチンでもできるはず。ここまで書いて、以前にビタミンCに浸ける変色防止ワザについてBlogにしたことに気づいたのでそちらを参照ください(ココ)。
ついでながら、コンビニのカット野菜が変色しないのは、もっと強力な(そして体によくない)抗酸化の薬が使われている(ココ)。
ビタミンCについては、他にも以前のBlog「知っておきたいビタミンCの秘密」(ココ)、
「そうだったのか:一番風呂がいけない本当の理由」(ココ)もご参照ください。