2016年6月14日火曜日

案外知らない乳牛の悲しい物語

だれもが、ほぼ毎日お世話になっている牛乳、それを提供してくれる乳牛の話です。

人の場合、お乳が出るのは子供を産んでから1年くらいの期間。牛の場合もほぼ同じで、妊娠・出産を経てはじめて、搾乳できるようになる。

乳牛は、生まれて14~16カ月で成牛になると、人工授精をおこなう。妊娠後10カ月経って出産し、乳が出始める。その後300~330日くらいの間、搾乳され人のために提供することになる。

搾乳できるのは1年未満の期間しかない。次のサイクルのために、出産40日後に人工授精を行なう。本来なら子牛に乳をあげている期間にすでに妊娠させられることになる。妊娠後10カ月経って出産となり、次の搾乳サイクルに入る。

2~3カ月の「閑乳期」と言って乳を搾らない期間ができるが、それ以外はずっと搾乳されることになる。このサイクルを普通4産(5-6年)続ける。その後、「廃牛」となり、肉として人に提供することになる。牛の本来の寿命は20年もあるのに。

牛にとってみれば、強制的に妊娠させられ、妊娠出産した子牛も引き離され売られ、搾乳で利用されるだけ利用され、最後は肉をとるために屠殺されるという運命にある。

家畜だからと割り切るしかないが、牛は人になつくくらいに賢いので、畜産に関わる方は葛藤が大きいのではないかと思う。

というわけで、牛乳をいただくとき両手を合わせ、牛や畜産農家の方に感謝しながらいただかないといけません。

乳牛1

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