最近のTVのCMで「逆流性食道炎によいお薬ができました」というのが頻繁に流れている。「逆流性食道炎」というのは、胃液が胃から逆流した結果、食道に起こった炎症のこと。
胃と食道の間には、「噴門」という収縮構造があって逆流を防ぐようになっている。ところが、食べ過ぎ・飲み過ぎの時や食べて横になったりすると、逆流しやすくなる。
胃液はPH1という強酸でかつ強力な消化酵素を含んでいる。胃の内壁は胃液で消化されないように、粘膜が発達している。
ところが、食道にはそのような防御がないので、逆流した胃液によって消化され炎症を起こしやすい。炎症がひどくなると、食道ガンになることもある。
「胸やけ」は「逆流性食道炎」の結果、胸の当たりが周期的に焼けるように痛くなる症状。また、口まで逆流するのが「呑酸」。
逆流を防ぐには、食べてすぐに横にならないこと。特に歳をとってくると、噴門が弱くなると逆流しやすくなる。寝る前3時間までに食事を終わるのがよいでしょう。
就寝中にじわじわ逆流が起きて、それが肺に入って肺炎を起こし死亡に至ることもあるのです。寝ている時に呑酸を経験した方は、頭を足より少し高めにして寝るようにしましょう。
「胸やけ」や「呑酸」を感じたら、水か牛乳を飲んで食道に逆流した胃液を押し戻しましょう。
「逆流性食道炎」を直すには、胃酸を抑えるお薬(H2ブロッカーやプロトンポンプ阻害剤)や「消化管運動機能改善剤」が効果的。