2017年1月17日火曜日

オバマの最後の演説とトランプの初会見に思うこと

オバマ大統領の最後の演説とトランプ次期大統領の選挙後最初の記者会見がなかなか対照的で面白かった。

10日にオバマ米大統領が、シカゴで任期最後となる演説を行った。大統領として8年間やれるだけやったという満足感があり、演説も堂々としていた。理想的すぎるところもあったが、上に立つ者は君子であるべきだと思う。

米国初めての黒人大統領は、2009年の就任前年に始まった「リーマンショック」の経済危機を救った。「シェール革命」で経済改革を行なった。

また、いろいろ批判はあるが、イラクからの米国軍の撤退を行なった。「オバマケア」と呼ばれる国民皆保険制度を作った。TPPも経済政策として世界全体を見れば必要な対策。アメリカの現職大統領として初の「広島訪問」を行なったのも大きな貢献。

一方、トランプ次期大統領は、どう見てもアブない感じがする。何をするかわからない。選挙で勝ったのも対抗馬のクリントンでは何も変わらないので、変化することを求める国民が当選させた。

トランプの今までの態度を見る限り、到底、君子とは言い難い。論語に、「君子不可不知、而可大受也」とあるように、君子の器でないとできないのが大統領のはず。

ツイッターで、一方的に自分の敵やマスコミを批判するやり方は、「君子」の態度ではない。もし日本国の首相だとしたらゾッとする。

12日のトランプの記者会見で、今後オバマのやってきた多くのことをひっくり返そうとしていることがはっきりした。

トランプだけでなく、世界に広がる自国ファーストのポピュリズム的発想は、今まで多くの国が努力してきた方向に逆行する動きで、どなたかが言った「地球は皆兄弟」は遠い理想でしかないのだろうか。

20日に大統領就任式があり、新大統領が生まれる。フタを開けて見ないと分からないが、大国の大統領だけに、影響は大きい。



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