2017年3月15日水曜日

「見ているようで見ていない」という話

目で見たからといって、全てが記憶には残らないですよね。特別な能力の人は、一度見たら、意識なくともその映像をすべて記憶していて、それを絵に描いてもらうと点のようにしか見えない遠くに見えるお家のカーテンの色まで正確に描くことができる。

ただ、普通の人は、目で見ていても本当はほとんど見ていない。注目しているものがあれば、それは見ているが、それ以外の部分は後で聞いてみても記憶には残っていないもの。

見たものがどれだけ、当てにならないか、下の実験に付き合ってもらうとわかる。

最初は、以前にも紹介した盲点をさがす検査です。

下の絵で、右目を閉じ、左目は右の点を凝視する。顔を近づけたりして、距離を変えていくと左の点が見えなくなるところがある。この位置が盲点。(使っているモニターによって、この絵の大きさが違うので、点の間の距離を6 cmくらいにする、紙に書いてもよい)
















さて、今度は、下の絵。左の点に垂直に線を入れてある。同じように盲点を探すと、左の点が消えて線が途切れて見えるはずだが、実際にはつながって見える。これは、脳がかってに補正している結果。











それでは、もう1つ。下は「カニッツァの三角形」という有名な図。黒の逆三角形の一部が3つと、黒い欠けた円が3つ見えます。

じっと見つめていると、逆三角形とは逆になった同じ大きさの白い三角形が見え始めます。それに気づくと、その三角形がだんだん周りより明るい白色になってくっきり浮き上がってきます。




















目で見たものは、視神経を通して脳まで行って脳で映像に再構築されますが、見たままではないのです。この世の中、「見ているようで見ていない」ことの方が多いのかもしれません。
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