2014年12月1日月曜日

訃報:「トラック野郎」菅原文太逝く

映画「仁義なき戦い」、「トラック野郎」などのシリーズで知られ、昭和の日本を代表する俳優の菅原文太さんが、先月28日、転移性肝がんによる肝不全のため、東京都内の病院で亡くなった。

文太さんは、仙台市生まれ。早稲田大第二法学部を中退後、58年に新東宝の「白線秘密地帯」で俳優デビュー。新東宝倒産後、松竹を経て東映に移り、68年に山下耕作監督の「極道」で主役の若山富三郎の子分のやくざを演じるなど任俠映画で頭角を現した。

73年には、やくざの抗争を描いた「仁義なき戦い」に主演し、強烈な存在感で一躍トップスターになった。75年に始まった「トラック野郎」シリーズでは、男気あふれるトラック運転手役で人気を集めた。

文太さんは、後年農業に力を入れ、山梨県に農業生産法人を設立し、有機農業に取り組んだほか、NPO法人「ふるさと回帰支援センター」の顧問として地方で生活する魅力を紹介する活動などを続けていた。

また、東日本大震災のあとは、脱原発を呼びかける活動や、憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認に反対する集会に参加するなど、社会的な活動にも力を入れてきた。

文太さんは、平成19年にぼうこうがんを患い治療を受けていたが、転移性肝がんによる肝不全のため亡くなった。享年81歳だった。

文太さんの写真をみると、かすれたドスのある、あの声がかってに耳から聞こえてくる。高倉健さんに続き、昭和の名優がまた消えていった。


文太



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