2016年3月25日金曜日

ネコの瞳孔は縦型、ヒツジは横型:その深いワケ

「猫の目のように」株価が変化するという言い方をしますよね。猫の目がまわりの明るさによって変化することから,物事がその時どきの事情によって目まぐるしく変わる様子を例えて表現したものです。

「黒目」はよく見ると、光を入れる量を(まぶしさによって)調整する絞りの「光彩」と光彩によって調整される穴の部分(瞳孔)で出来ている。

私たち日本人の場合、黒目は茶色の光彩の中央に、丸く黒い瞳孔がある。まわりが明るいと(まぶしいと)、瞳孔が小さくなり、逆に暗いと大きくなる。青い目の外国人だと、光彩に含まれる色素が異なっているので青くなるが瞳孔はやはり黒。

イヌの瞳孔は私たちヒトのように丸い。一方、飼っている方はご存知のように、ネコの瞳孔は縦長のスリット状になっている。暗いと丸いが、明るくなると縦型になる。

ネコは、他のネコ科の動物と同じで、基本は夜行性。縦長の瞳孔のメリットは、ヒトの瞳孔ような丸くなっている場合より、素早く瞳孔を縮めることができること。

ネコの顔に光を当ててみると分かる。瞳孔がすばやく細く縦になる。これは、キツネ、ヘビ、ワニなど夜行性の動物に広く見られる。

一方、ヒツジは横長の瞳孔を持つ。草食性の動物は常に肉食動物を警戒しながら生活している。まぶしくなって、瞳孔を細めても広い視野を保つため、瞳孔が横長になっていると考えられている。

ヒツジ以外にも、ウマ、カバ、カンガルー、クジラ、カエルなどが横長の瞳孔を持っている。

ヒツジやウマの目は顔面の前にはついていない。両眼合わせると、視野は 350度にもなる。死角がほぼないので、敵を察知し損ねることがないメリットがある。しかし、両眼で同じものを見ることはないので、距離感はあまりないらしい。

ヒトやネコのように顔面の前に目があると、両眼で距離を把握できる。ただし、視野角は、ヒトで200度、ネコは180度。

ところで、カメレオンの目はヒツジと同じで顔面の前にはなく左右両側にある。両眼はまったく独立して動いて、片目で虫を感知する。さらに、目にあるレンズの絞り具合で距離を判断することができる。あの長い舌で確実に遠く離れた虫を捕らえるには正確な距離計測が必要というワケ。

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