「・・・の法則」などと、難しそうですが、話は簡単。あなたが会社やお店の上司なら、社員や店員の前で語るのはちょうど良い小ネタかもしれません。
ハインリッヒの法則は、米国の保険会社にいたハーバート・ウィリアム・ハインリッヒの名前が由来で、彼が1928年に論文で発表した災害防止に関する法則のこと。
その法則によると、1件の重大事故の背景には、29件の軽い「事故・災害」が起きており、さらに事故には至らなかった「ヒヤリ・ハット」する事例が300件潜んでいるという。
この法則は、様々なシチュエーションに使えて、もしあなたがお店を経営していて、顧客へのアンケートで1人のお客がかなりの不満を書いていたとする。
大部分(29人)のお客は、実は不満はあるがアンケートには軽い希望だけを書く。しかし、本当は、アンケートを書かない300人が不満を持っている。1人の不満を見過ごしてはいけないのだ。
また他にも、「1回の成功の裏には、29回の見えないほどの小さな成功があり、300回の気づかないほどの成功がある」とかもにも使える。
ついでに覚えてほしい言葉がある。「セレンディピティ(serendipity)」。小説家であるホレス・ウォルポールの作った言葉で、ちょっとした偶然のきっかけが予想外のものを発見するという意味。
「セレンディップの3人の王子」という童話を読んだウォルポールが、次のように説明する。童話は、父である王の命令により旅に出た三人の王子が、途中で出会う難問を次々と解決し、おもいもよらない幸運を手に入れる物語。
物語の中で、たとえば、王子の一人は、自分が進んでいる道を少し前に片目のロバが歩いていたことを発見する。なぜ分かったかというと、道の左側の草だけが食べられていたためだった。
偶然の会話がきっかけでで一生の伴侶を得たり、ニュートンが、りんごが落ちるのを見て、万有引力の法則を発見したのも、「セレンディピティ」の例。それらは、偶然にみえるかもしれないが、日頃からきっかけを逃さない注意力も必要だ。