危ない殺人アリ「ヒアリ」が日本に入り込もうとしている。南米大陸にもともと生息地だったが、今は、米国、オーストラリア、中国にも分布している。
今年5月に、中国の広州から神戸に貨物船で運ばれたコンテナの中から初めて発見された。名古屋港、大阪南港、東京湾からも見つかってきている。いずれも中国から来たらしい。
「ヒアリ」が見つかった近くの保育園では、お外での遊びは中止しているという。特に子供の場合、少ない毒でも危ないからだ。
「ヒアリ」(火蟻)の毒針に刺されると、火傷のような激しい痛みと腫れが続く。英語でも「fire ant」。体力によっては、そして以前に刺されている経験があると、アナフィラキシーショックを起こし、死ぬこともあるので「殺人アリ」とも呼ばれる。
米国では年間1,000万人以上が刺され、このうち8万人が、アナフィラキシーショックを引き起こしている。そして、年間約100人が死亡している。
ヒアリは、赤色でツヤツヤしていて、背中に2つのコブがある。ドーム状のアリ塚を作る。環境省には、ヒアリの特徴をまとめたものがあるので参考にしてください(ココ)。
以前にこのBlogでも紹介した外来の「アルゼンチンアリ」は、平成5年に広島県廿日市市で初めて発見され、それ以降もう静岡県くらいまで広がっている。アリは羽アリになって、遠くに移動できるためだ。
うちの菜園にもいて、噛まれるとかなり腫れ、それが1週間以上続く。しかし、「ヒアリ」は、「アルゼンチンアリ」の比ではない。
また、アメリカ大陸原産の「アカカミアリ」というアリも危なく、こちらは米軍と共にやって来て沖縄周辺だけにいたはずだったが、神戸港で退治のために「ヒアリ」を探していたら、「アカカミアリ」も発見された。
なんとか水際で侵入を止めてもらえるとありがたいが、「アルゼンチンアリ」の経験から、もう「ヒアリ」は本土に入り込んでいるとみた方がよい。10年もすれば、「庭で出会ってヒヤリ」とダジャレを言っている場合ではなくなるかも。スミマセン。
最後に、もし刺された時の対策ですが、刺されてしばらく様子をみて気分が悪くなってくるようなら、アナフィラキシーの可能性もあるので、病院へ行くこと。
刺された直後は、ポイズンリムーバー(↓)が便利。注射器のようなものを刺された箇所に当て、毒や針を吸い出すことができる。ハチや蚊にも効く。