茗荷(ミョウガ)は、子供の頃は変な匂いや苦味で嫌いでしたが、大人になるとそれなりに食べれるようになりました。
昔から、ミョウガを食べると物忘れしやすくなる、と言われています。
昔話に、「ミョウガの宿」というのがある。ちょっと長いですが、
昔、安芸の宮島の厳島神社へ続く街道筋に、とても欲深い夫婦が一軒の宿屋を営んでいた。客はめったに来なかった。その宿に、久しぶりにお客がやってきた。強欲な夫婦は、客にたくさんミョウガを食べさせて大金の入った財布を忘れさせようと計画した。
そこで、強欲亭主は、茗荷の串焼き、茗荷の浅漬け、茗荷の三杯酢、茗荷の煮つけ、茗荷飯と、ミョウガ尽しのコース出したが、どれも美味しかったため客は大喜びだった。
翌朝、客は厳島神社へ出発した。亭主は財布を忘れていないかと、客室を探したが、何も忘れているものはなかった。
がっかりした宿屋の夫婦だったが、財布に気を取られて宿賃をもらい忘れてしまった。
気落ちした夫婦だったが、あの客が茗荷料理のうまさをあちこちで宣伝してくれたので、その後その宿は「茗荷の宿」と呼ばれ、たいそう繁盛したそうな。
ミョウガは、ショウガ科の植物で、原産地は東アジアが原産で、日本には大陸から入ってきた。現在、ミョウガを栽培して料理に使っているのは、日本だけ。
ミョウガに物忘れを誘導するような成分は今の所見つかっていない。香辛野菜の仲間で、様々なビタミン・ミネラルを含んでいて、体にはよい成分が多い。
そもそも脳で覚えられる容量というのがある。学者によれば、DVD数枚くらいとも。そうなると、どんどん忘れないと新しいことが入らないわけで、忘れることは大切。
また、辛いことはうまく忘れるようになっていて、例えば、事故や病気で痛い目にあった時の痛さを記憶している人はいないのです。