2017年11月13日月曜日

カメラの感度の話 今昔


昔の銀塩フィルムのカメラだとフィルムの感度の高いものを買って夜景や星空を撮る必要があった。それでも撮れないような暗いものは、特殊な現像液を使って増感するなどした。

しかし、今のデジカメの撮像素子の感度はどんどん良くなって、かなり暗くても撮影できるようになってきている。カメラのカタログをみると、今でもフィルムの時代の感度表記が使われていて、ISO(イソ)の単位が使われている。

実は、最近まで、変だなと思いながらISOを「アーサー」と読んでいた。ASA(アーサー)はISOの前に使われていたフイルムの感度の単位。知らないうちにASAがISOに変わっていた。

単位が変わったのはもう20年も前のことらしい。全くボケた話。ASAは、アメリカ標準感度規格という意味だったが、国際標準化されてISOになった。

とは言っても、ASAとISOで数値は変わらず、ASA100はISO100のまま。

フィルムカメラに普通に使われてたフィルムはASA100とか200だったが、今のコンパクトデジカメはISO3200とか6400という設定もできる。物によっては、ISO25,600という超高感度のものもある。

デジカメの感度は、画素数とも関係する。(400万画素というのは、縦20万横20万の画素(ピクセル)の集まりでできている。撮像素子が縦20万横20万の素子の集まりでできている。この数値が多ければ多いほど、解像度の高い画像になる)

デジカメの場合、撮像素子の大きさは、1/1.8インチや、1/2.5インチとか、1.5インチのサイズ(長方形の撮像素子の対角線の長さで表示)で、大きい方が画素数を増やせる。(ただカメラの中に入れるので大きくすれば、カメラも大きくなる)

ただ、受光面の面積が同じ撮像素子で、解像度だけあげると各素子は小さくなり光を受ける量が少なくなってしまい、感度が悪くなる。素子から変換される電気信号が小さいのでそれを無理やり大きな信号に増幅する方法を使う。こうなると、ノイズも増幅され、粒子が見える荒い画像になってしまう。

特殊なカメラでは感度を上げるのにこの素子が受けた光子の量を2x2の4つ分の素子の情報を集める方法(bining)を使う。1つの素子だと1しか光がないような暗い景色も、4つを集めればだいぶ明るくなる。その代わり、400万画素のスペックだとすると100万画素になってしまう。

撮像素子は光子を受けてそれを電気信号に換えるので、どのくらいの光子で電気に変換できるかが感度を決めていて「量子効率」というが、今のデジカメだと20-40%くらい。

スマホのカメラ機能が良くなったため、デジカメ業界も危なくなってきているが、専用機でしか撮れない世界がまだまだある。



懐かしオリンパスOM2。

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