2017年11月16日木曜日

そうだったのか:ペットボトルお茶の歴史


お茶の飲料は今はペットボトルに入ってコンビニなどで普通に売っているが、昔は列車の弁当とともに四角いプラにティーバッグでお湯が入ったものが売られているぐらいしかなかった。

そもそも、お茶はレストランや食事できるお店では今と同じようにタダのように出てきて、当時はお茶を買って飲む習慣がなかった。(考えてみると、水も今は買う時代になりましたね)

お茶はいれてから時間とともに酸化されて味が変わっていくから。サンガリア(株)は、1985年酸化防止にビタミンC(アスコルビン酸)を添加し、窒素充填することで世界初の缶入り緑茶を発売した。

当時は今のようにアルミ缶ではなくスチール缶なので、スチールの匂いや味があって、味の濃いコーラなどだと大丈夫だが、お茶のような繊細な味の飲料にはスチール缶は向いていなかった。

1990年には、伊藤園がペットボトル入りの「お〜いお茶」を発売した。ペットボトルは酸素透過性があるので、酸化防止のためビタミンCを入れていた。透明で軽くある程度の強度があるペットボトルは酸素透過性の欠点があってもそれに勝るメリットがあった。

しかし、上に書いたように当時はお茶にお金をかける感覚がなかったので、それほど売れなかった。急須で入れるお茶から見れば技術的にもまだまだ美味しいと言えるものではなかった。

同時期、ペットボトル入りウーロン茶も発売された。日本茶にお金をかけるのは抵抗があっても外国のウーロン茶にはお金を出したのだと思う。また、日本茶と違って珍しくもあり、美味しかった。

ペットボトル入り「ウーロン茶」は、大ヒット商品になりアサヒ飲料とサントリーがシェア争いをすることになる。

一方、伊藤園は緑茶の「おーいお茶」を美味しいレベルに改良する。「お茶はタダ」から手軽で美味しいお茶はお金を出して飲みたいというように意識が変化してきた。コーラが体に悪いという風評も飛んだ時代だ。

2000年頃には、飲料メーカーの巨人コカ・コーラがついにお茶の世界に乗り出した。「爽健美茶」がその美味しさで大ヒットする。日本茶とウーロン茶の間のような味。

その後、茶葉を選んでさらに美味しさを求めて改良され、伊藤園の「おーいお茶」、キリンの「生茶」、サントリー「伊右衛門」などのブランドが並ぶようになる。

コカ・コーラも本格的プレミア日本茶の「綾鷹」を2000年台後半に出すことになる。

日本茶ではないが、キリンの「午後の紅茶」が1990年頃からヒットした。日本茶と違って甘みがあって美味しいのがウケた。「午後の紅茶」は今もよく売れている。

日本茶に戻ると、現在は健康志向で、体脂肪を減らすというポリフェノールを含んだ、特保の「伊左衛門特茶」、「黒烏龍茶」、「ヘルシア緑茶」などもよく売れているそうです。

今後、健康志向の流れはまだまだ続くので、ポリフェノールに代わる、寿命を延ばすなどの次の物質が鍵でしょうね。もう1つの流れは、地方でしか味わえない美味しいお茶でしょうか。






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