2018年12月10日月曜日

メンソレータム:その歴史が面白い!



メンソレータムは、昔からある塗り薬。その歴史が面白い。

創始者の米国のアルバート・ハイドは、1889年に設立したユッカ社で石鹸を販売していた。

メンソール(ハッカ)は、古くから火傷や炎症などを和らげる薬として用いられていた。
メンソールは、ハッカソウというミントハーブから抽出できる。これに目をつけたのがハイド。

1894年、ハイドは会社の名前をメンソレータム社と改め、メンソレータムを発売した。メンソレータムという名前は、メンソール(ハッカ)とペトロレータム(ワセリン)からつけられた。

日本では、米国人のウィリアム・ヴォーリズが、日本でメンソレータムを売るために近江兄弟社を設立し、メンソレータム社から販売権・製造権を得、販売したのが最初。
しかし1974年に「近江兄弟社」は一度破綻、倒産する。

ちなみに、ヴォーリズは、近江(滋賀県)に英語教師として来日したのち、キリスト教の布教に務め、医療・文化などにも貢献している(ココ)。

1975年、ロート製薬がメンソレータム社と契約、日本での販売権を獲得した。その後、1988年にメンソレータム社はロート製薬に買収され、吸収合併される。

「近江兄弟社」は破綻・倒産したが、大鵬薬品の再建支援を得て再興した。しかし既にメンソレータムの販売権・製造権を失っていた。

しかし、近江兄弟社にはメンソレータムの製造ラインと、日本でメンソレータムを販売するために獲得していた「メンターム」という商標登録が残っていた。

そのため、現在、近江兄弟社からは「メンターム」、ロート製薬からは「メンソレータム」が販売されている。

それぞれは、全く同じではなく、オリジナルのメンソレータムは黄色ワセリンが主剤に使われているが、メンタームは白色ワセリンを使用している。

メンソレータムのシンボルキャラクター「リトルナース」に対して、メンタームは「メンタムキッド」になっているが、緑のシンボルカラーやパッケージもよく似ている。

同じような商品が販売されている理由には、こうした深い歴史があったからです。









広島ブログ