2018年12月23日日曜日

そうなんだ:絞殺事件を判定するピンク色の歯



大阪府寝屋川市の中学1年の男女2人を殺害したとして、殺人罪に問われた被告の裁判で、死刑判決が出ました。

被害者の首を閉めたことによる窒息が死因である証拠として,「歯がピンクになっていた」ということです。

歯がどうしてピンク色になるのでしょうか?どうして「ピンク歯」が絞殺の証拠になるのでしょうか?

最初は,歯茎の間違いで,血流が少なくなって歯茎が赤色から薄いピンク色になったのかと思ったのですが,調べてみると本当に窒息で歯がピンク色になるみたい。

歯は,その表面が固いエナメル質で出来ていて,その下は「象牙質」となっています。象牙質には,数マイクロメートルの細い管状の穴が多数歯の中心から放射状に開いていて「象牙細管」と呼ばれています。

「象牙細管」の内部には,通常組織液が入っていて,象牙芽細胞に栄養を送り象牙質の維持を担っています。

死後に,血管内で壊れた赤血球から出てきた酸欠のヘモグロビンが象牙細管に侵入してくきます。酸欠のヘモグロビンは赤紫色をしているので,歯がピンク色に見えるというわけ。

ピンク歯は,溺死や窒息死で起こることが多いが,他の理由も考えられるので,実は絞殺の決定的証拠にはならない。


広島ブログ