2018年12月26日水曜日

そうなんだ:「象牙細管」が歯がしみる原因



先日,窒息死した場合に歯がピンク色になることを書きました。壊れた赤血球から出てきたヘモグロビンが歯の「象牙細管」という微小な管状の穴に入ってくるためにピンク色になるということでした。

実は,この「象牙細管」が歯がしみる原因にもなっています。

歯は,その表面が固いエナメル質で出来ていて,その下は「象牙質」になっています。象牙質には,数マイクロメートルの細い管状の穴が歯の中心から放射状に多数開いていて「象牙細管」と呼ばれています。

「象牙細管」の内部には,通常,組織液が入っていて,象牙芽細胞に栄養を送り象牙質の維持を担っています。

虫歯でエナメル質がなくなったり,歯肉が下がって象牙質が露出すると,「象牙細管」の穴も露出してきます。

ここに,冷水,冷風や歯ブラシの刺激がくると,露出した「象牙細管」を通して直接刺激が歯の中心にある歯髄の神経を刺激することになり,「歯がしみた」と感じるわけです。

通常は,唾液による再石灰が「象牙細管」の露出を覆ってくれますが,唾液が少ないと知覚過敏になったりします。

市販の知覚過敏用歯磨きには,露出した「象牙細管」の穴を閉じたり,エナメル質の再石灰化を促進する効果がある成分が含まれています。




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